偉大な歴史の1ページ目。「アルティーリ千葉」千葉ポートアリーナ開幕戦レポート

THE GREAT HISTORY BEGINS.

  • 最短(2年間)でのB1昇格
  • 5年以内でのB1制覇
  • 千葉から世界を魅了するチーム作り

という、並外れたビジョン・ミッションを掲げて始まったアルティーリ千葉。

2021年より千葉県千葉市を本拠地に新設された同チームは

  • 豪代表をW杯ベスト4に導いた名将・レマニス氏の招聘
  • 大塚裕土、レオ・ライオンズという天皇杯優勝経験者の獲得
  • B1経験を持つ選手を多数獲得
  • デザイン性に優れたユニフォームやクリエイティブ類

などの取り組みを行い、多くのBリーグファンから多くの注目を集めています。

そんなアルティーリ千葉。2021年16日・17日に千葉ポートアリーナにて、アイシンアレイオンズを迎えてのホーム開幕戦が行われました。

開幕節は2戦とも観戦に行きました。

私自身、千葉市出身であり、千葉ポートアリーナは成人式を行った会場であります。 そのような場所でBリーグのチームが誕生したことに感慨深さを抱えつつ、開幕節の隅から隅まで堪能してきました。

まさに歴史の1ページ目であり、同チームが掲げる “THE GREAT HISTORY BEGINS.” の瞬間を、レポートしてまいります。

千葉市プレゼンツ、全席無料でチケット完売

冠スポンサーは千葉市。記念すべきホーム開幕戦が千葉市プレゼンツになったのはとても良いと思いました。

千葉市の神谷市長もいらっしゃり、試合前には「これから千葉市はアルティーリ千葉を全面的に支援してまいります」と、簡潔かつ力強いスピーチをしてくださりました。

スピーチをする神谷市長(筆者撮影)

また、千葉ポートアリーナで開催された開幕節は「全席無料」で実施されました。

実際にはチケット購入の手数料(165円~/枚)は負担するのですが、全席無料は思い切ったなという印象でした。

同日同時間に裏で、千葉県のスポーツが勢ぞろいしているのも影響していると思います。

  • ZOZOマリンスタジアムで千葉ロッテの試合(17日は雨天中止)
  • 船橋アリーナで千葉ジェッツのホーム開幕戦
  • 蘇我・フクダ電子アリーナでジェフ千葉の試合(17日)

16日の開幕戦は完売、17日もほぼ完売(残りは端っこくらい)。

結果としては両日とも1700人台の観客動員数でした。恐らく売れた数字よりは実際に来場した数字だと思います。

空席はちらほらあり、それが「買ったけど来てない」ものなのか、スポンサー用などの余りなのかは分かりません。

次のポートアリーナ開催も12月ですし、観客動員数に関してはなかなか評価が難しいと思いました。

個人的には他のスポーツやエンターテインメントがひしめく中で、1日1700人もの「足を動かした」というのは誇るべきことだろうと思っています。

「お膝元」3駅はブラックネイビーに染まる

千葉ポートアリーナの最寄り駅である

  • JR千葉駅
  • JR千葉みなと駅
  • 京成電鉄千葉中央駅

は、アルティーリ千葉の広告ラッピングが盛大に施され、同チームの「ブラックネイビー」一色になっておりました。

JR千葉駅
JR千葉みなと駅
京成千葉中央駅

特にJR千葉駅はいたるところに多様な掲示物があり、圧巻でございました。

初めて見る人からすると「これは何だ?」という感じだったかもしれませんが、電車で開幕戦に向かった人はテンションが上がる仕掛けだったと思います。

次回もこのような取り組みがなされ、認知度の向上と共に千葉市街が盛り上がると良いなと期待しています。

アリーナ外観

ポートアリーナの構造上、外観で何かができるという要素は少ないと思いました。

その中で目についたのは選手の顔写真が掲載されたフラッグ。白とブラックネイビーのモノトーンで、とてもカッコよかったです。

自分が好きな選手の写真を撮る方が多かったですね。

また、緊急事態宣言が明けたばかりということもあり、アリーナ内外ともにチームから飲食の出店・販売はなし。

千葉ポートアリーナは目の前のビル(千葉ポートスクエア)にローソンもスーパーマーケットも入っておりますので、飲み物などのお買い物にとても便利です。

現状、Bリーグのアリーナで最もコンビニに近いアリーナと言えるかもしれません。

アリーナ内装

モノトーンで統一されたシックな空間

アリーナに入った瞬間声が出ました。

チームカラーであるブラックネイビーに統一された空間は「カッコイイ」の一言です。

椅子をブラックネイビーに統一

1階の可動席(このために持ってきている椅子)はすべてチームカラーのブラックネイビーに統一されていました。

コートに面した、本来であれば高額の席にはベンチと同じ特注の椅子。座り心地はとても良かったです。

また、それ以外の席も椅子にチームロゴをあしらったカバーがかけられておりました。
これによって椅子の安っぽさが軽減されていました。椅子のかずだけこれを用意するのはさすがの一言。

コートエンド席の後ろにはテーブル付きのシートがありました。
この席は販売されていませんでしたので、スポンサー向け等のVIPシートだと思います。

場内スポンサー看板もブラックネイビーに統一

椅子よりもすごいと思ったのが、場内のスポンサー看板もチームカラーのブラックネイビーに統一していることです。

Bリーグは勿論、プロスポーツでこれに着手したチームはあるのでしょうか…?

ホームのエンド側にはケーヨーデイツー、千葉日報、チバテレといった、千葉市にゆかりある企業の横断幕が並んでおりました。それらも色はブラックネイビー。

いちばんすごかったのは広告看板の色かもしれませんね。 それによって、一気にアリーナが引き締まった空間になったと思います。

ユニフォームの配色も同様で、これができるのは新設チームの魅力であると同時に、実行する難易度は相当高いと思います。

ゴミ箱まで統一

ゴミ箱までめちゃめちゃオシャレになっていました。

Bリーグでいちばんゴミ箱がオシャレなチームかもしれません。

モニターは独自に設置したものを使用

千葉ポートアリーナには、両エンド側に1台ずつモニターが備え付けられているのですが、アルティーリ千葉はそれを使うことなく、独自に設置したモニターを使用していました。

これによってエンド側は片方ふさがってしまいますが、ポートアリーナのモニターは知る人ぞ知る画質の低さですので、わざわざ設置することに関して、妥当性は高いかなと思います。

後述しますが映像もカッコイイですから、より綺麗に映るスクリーンで見てほしいということでしょう。

ショップ・グッズ

ホーム開幕に合わせてグッズも発売されました。グッズは綺麗にディスプレイされておりました。

グッズは紙に書いてレジで商品を受け取る方式でした。

グッズ売り場の場所も取らずに済みますし、万引き防止という観点においても、この方が良いかもしれませんね。

ちなみに大塚選手のグッズが早々に売り切れていました。さすがですね。

配布物

応援用のハリセンを配布

Bリーグでは既に配布しているチームも多いですが、アルティーリ千葉もハリセンを配布しておりました。

ハリセンもカッコいいですね。

紙も丈夫そうで、「いい紙」使っている感じがしました。新しく貰った分は取っておいて、1試合目のものを3試合使いましたが、全然まだまだ使えそうな感じです。

ゲームデープログラムはデザイン性が高すぎる

ゲームデープログラム、あるいはマッチデープログラムがめちゃくちゃカッコよかったです。

表紙には数字が入っており、これは節ごとに変わるそうです。すべて集めたくなります。

中も、見たことない形に折り込まれています。

いや、本当にこんなゲームデープログラム見たことがないです。これはビビりました。しかも綴じたところがリング状になっており、バインダーに挟むことができます。

サイズ感としても、持ち帰りやすい。これも驚きました。ここまでやるのかと。

演出

とにかく映像がカッコイイ

お次は映像です。これもすごかったです。

試合中に何度も流れたコンセプトムービーは後で公開されました。ぜひ以下の映像をご覧ください。

他にもメンバー紹介など、めちゃくちゃカッコイイ映像が盛りだくさんでした。

また、B3TVという中継映像以外にも、カメラが数台配置されており、試合中はそのカメラで撮影した映像が流れておりました。

B1でバスケットLIVEの映像をモニターに流しているチームはありましたが、モニターに流すためにカメラ・スイッチャー等を用意するチームは初めて観ました。
(他のチームでやってたら教えてください)

映像も本当に気合入っていました。素晴らしいです。

パフォーミングサポーターいるやん!

あまりにも情報が出ないために、そもそも存在すら疑われていたアルティーリ千葉のパフォーミングサポーター(チア)ですが、いました。

ちゃんと、ばっちり、しっかりといました。

こんなにちゃんといるなら最初に教えてよ!というか、未だに誰一人お名前知らないんですけど…!という思いもありますが、チアもしっかりしていて、良かったです。

こういう時、最初に自分の正面にいた方を推したくなりますね。初めて見たものを親と思うような気分です。

(公式さん、早くパフォーミングサポーターの情報出してほしい…)

光をふんだんに使った演出

試合前やハーフタイムなどでは、カラフルな照明やレーザービームをふんだんに使った演出があり、それに乗せてパフォーミングサポーターがパフォーマンスを披露していました。

この辺りも楽しかったです。

B1でもすべてのチームがレーザービーム使うわけではないですし、初めてバスケを見に来た方もBリーグ(アリーナスポーツ)ならではの光を使った演出に驚かれたのではと思います。

2階席に置いてあった照明機材

応援は「ちば」

新設チームだから誰も知らないのが「応援」。

  • オフェンスは「手拍子3回」+「ちば」
  • ディフェンスは「手拍子2回」+「ディフェンス」

と、オーソドックスなものになりました。BGMで色を出していると思います。個人的には攻撃の方が音楽がゆったりしていて、ディフェンスの方が音楽が激しい印象なのがツボでした。

個人的には掛け声が「ちば」でまとまってよかったと思います。地域性もありますし、アルティーリは言いにくいですし(笑)。

声が出せるようになったらみんなで声出したいですね。

後述しますが、開幕戦1試合目は試合展開もあり、みんなハリセンをたたいて応援していました。その一体感はとても新設チームとは思えず、素晴らしい雰囲気でした。

試合について

開幕戦は絶体絶命からの逆転勝利

相手のアイシンアレイオンズは昨年のB3リーグ優勝チーム。楽な戦いにはならないだろうと思っていましたが、1試合目はとにかく苦しみました。

前半はとにかくアルティーリのフリースローが落ちる落ちる。前半終わってフリースロー成功率は2/11。一方でスリーポイントは高い確率で決めたいたので逆じゃね?状態でした。

後半も点差は縮みそうで、縮まらない。残り7分を切っても10点差。万事休すかと思いました。

しかし、その後アイシンの外国籍選手の5ファウルでの退場を転機に、大塚選手・ライオンズ選手のダブルエースが怒涛の勢いで得点を重ねて逆転。そのまま点差を広げて結局は83-72で勝利しました。

ヒヤヒヤしましたね。

ただ、そのおかげでポートアリーナのファンは一体となって応援し、ホームアリーナとして素晴らしい空気ができたと思います。

2戦目は危なげなく勝利しました。ホーム開幕2連勝で、リーグ4連勝です!

チームの雰囲気が良い

試合中思ったのが「よく声を出すチームだな」と。

  • 選手はよく声を掛け合う
  • ベンチの選手も盛り上げる
  • ベテランがよく若手に声をかける
  • コーチ陣も声を出す
  • コーチ・選手間のコミュニケーションが多い

と、チームとしての雰囲気の良さをすごく感じました。レマニスHCが頻繁に選手とグータッチをする・選手のお尻をたたいていたのが印象的でした。

ビジュアルの良い選手・コーチも多いですし、こういった面からも人気が出ていく・出ていけば嬉しいなと思っています。

座席配置について

今回の座席

今回座ったのは

  • 16日:コートサイド1列目
  • 17日:ホームベンチ裏

です。コートサイド1列目の臨場感・迫力は言わずもがな最高でした。

また、ベンチ裏も選手との距離が近くてとても良かったです。試合自体も見えやすい席ですのでオススメしたいなと思います。

(オススメ席は後述)

1階席は見やすさにバラツキがありそう

一方で1階席の見やすさには結構バラツキがありそうな印象でした。

たとえば上の写真

  • 左手前の1階席(コートサイト1列目2列目の後ろのブロック)
  • 右側の1階エンドのスタンド

なんかは、前のコートサイド席・コートエンド席のブロックに階段がついていますので、結構前の人の頭が被るかもしれないな…と感じました。

特にコートエンドのスタンドの前の方の列は注意書きもありましたので結構視界が遮られると思います。

個人的にはコートエンドのVIP席はコートサイドの指定席の後ろ(あるいはベンチ裏の席の後ろ)に配置した方が、後ろの席の視界も遮られにくいですし、この席に座る人も後ろがスタンドよりも壁の方が落ち着くのではないかと思いました。

ポートアリーナの2階席は角度が高く見やすい

これはジェッツ戦で行った経験則も踏まえてですが、ポートアリーナの2階席は高い場所にあり、試合がかなり見やすい印象です。

座席の階段の段差も大きいので、視界もクリアに見えると思います。価格もお手頃になりやすいのでオススメできると思います。

全体的にスコアボードは見えにくい

スコアボードは上記のものが対角線に2つありました。

正直これは見えにくかったですね。特に選手のファウル数と得点数はほぼ見えないという感じでした。この辺は今後の改善改良に期待です。

有料で見る際、個人的にオススメな席

今回の2試合の観戦および、ジェッツ戦の観戦の経験を踏まえ、個人的にオススメしたい席種をご紹介したいと思います。

アルティーリ千葉公式サイト

オススメの席種は以下の4種類かなぁと思っています。

  • 1階コートサイド1列目(¥10,000)
  • 1階ゴールエンド1列目(¥8,000)
  • 1階アリーナサイドのベンチ裏(¥5,000)
  • 2階ベンチ向かいの中央寄り(¥3,000)

1階コートサイド1列目・ゴールエンド1列目

1列目は言わずもがな。金額こそ高いですが、それ以外の全てが手に入る座席です。

試合の迫力も、パフォーミングサポーターの美しさも、全てを特等席で味わうことができます。ただし、これらの席は私も含めたファンクラブ・プレミアム会員で売り切れる可能性があります。

1階アリーナサイド・ベンチ裏

1階アリーナサイドのベンチ裏もオススメです。ベンチ正面・エンド席と違って前のブロックの座席がありません。

私も座りましたが、座席の段差も十分ありますので試合もしっかり見える席です。

2階ベンチ向かいの中央寄り

また、前述の内容と重複しますが、ポートアリーナは2階席が高いところにあり、前の席との段差の高さも十分あります。試合全体がとても見渡しやすいと思います。

1階席の客席数も多くありませんので2階席のチケットを買うのもオススメです。値段も比較的手ごろなのも良いです。

また、全席共通して「ホーム側」「アウェイ側」で言えばホーム側がオススメです。アウェイエンド側にモニターがあるので、ホーム側の方が見やすいです。

とてもカッコイイ映像なので、ぜひ見やすい席から見てほしいと思います。

まとめ

以上、アルティーリ千葉の千葉ポートアリーナで開催されたホーム開幕戦のレポートをお届けしました。

全体としては大満足でした。グッズ、配布物、映像、アリーナの内装…どのクリエイティブもカッコよくて、チームが目指しているものが素晴らしいものであるということを認識できました。

一緒に行った方からも、

  • チームがカッコよかった
  • バスケが面白かった
  • また行きたい

という声をいただいたのも、とても嬉しく思います。

まだまだチームとしての船出は始まったばかりだと思います。

B1に上がるまでは思ったほどお客さんが入らなかったり、もしかしたらB2B3で足踏みすることもあったりと、一筋縄ではいかないことも多々あると思います。

それでも、これから地元・千葉市の誇りと言えるようなチームを目指してくれると思いますので、引き続き応援してまいりたいと思います。