自宅でサーバーの生ビールが飲める「キリン ホームタップ」とは
概要
「ビールのサブスク」と言われており、「月額会員費用 + ビールの料金」を払うことで自宅でサーバーの生ビールを楽しむことができるというものだ。
キリンビールが長い開発期間を経てリリースした渾身のサービスとのこと。これまでは注文に提供が追い付かず、会員受付を度々終了したり、長い間待つこともあったが、キリンビールの方で提供体制が整ったとのことで、会員数10万名を目指して、本格的にサービスを展開していくというとのこと。
料金・システム
料金は以下の2つで構成されている。
- 月額会員費用(基本料金):3190円
- ビール購入料金(2L):2310円~
- ※いずれも税込
- ※月4本コースと8本コースがあり、4本コースを選択した場合は1本当たりのビールの料金が上がる
初期費用はない。
サーバーのレンタル費用も基本料金という、月額会員費用に含まれている。会員登録すると以下のサーバーが送られてくる。サーバー自体はコンパクトでオシャレな見た目をしている。
ビールサーバー内には専用のチューブやストロー、サーバーを動かすための炭酸ガスが付属している。これらは基本的には無料で貰える。(月額会員費用に含まれている)
ビールは毎月2回配送される。基本のビールである「キリン一番搾りプレミアム」に加え、期間ごとに選択できるクラフトビールが異なる。選択するビールによって料金が変わる。
配送日・および購入するビールは専用のWEBサイトから選択する。(以下参照)
ビールは注文すると以下のような段ボールが、更に段ボールで包装された状態で届く。
段ボールの中にはペットボトルが入っている。容量は種類を問わずに、1本1リットルだ。
上記のペットボトルを以下のサーバーにある空洞部分に差し込んで使う。
まとめると、
- 基本料金 + ビールの料金で構成
- 月に2回、ビールが配送される
- 配送されるビールは選択可能
- 配送スケジュールも選択可能
というサービスである。以下、1年間利用した感想を述べていく。
1年間利用したレビュー
メリット・ポジティブな点
①サーバーで注ぐのは楽しい
まずは1点目。サーバーで注ぐのは楽しい。
今はコロナでなかなか難しいが、複数人が集まってワイワイやりながらビールを注いで飲むのはとても楽しい。
特に初めて見る人はとても驚いてくれ、そして、とても満足してくれる。
②自分で綺麗な生ビールを注ぐことができる
グラスや付属のチューブ等の洗浄を怠らなければ、誰でも綺麗なビールを注ぐことができる。
泡はキメ細やかく、飲むとクリーミーさを感じることができる。家の缶ビールでこれを再現するのは難しいという人は多いと思う。
③抜群に美味しい
3つ目は味で、美味しい。それも抜群に美味しいのだ。
ベースとなる「キリン一番搾りプレミアム」というビールも、普通の居酒屋には置いてなく、キリンが運営するビアホールや、高級店で飲むようなビールだ。
それだけでなく、他のクラフトビールも時々缶で販売しているが、普通の居酒屋には置いていない。
そして賞味期限が短く設定されている、本物の「生ビール」のため、新鮮さが段違いで雑味をほとんど感じることがない。
これだけ美味しいビールを家で楽しむことができるのは、キリンホームタップを置いては他にはないと思う。
どのビールもそれぞれ個性がありながら、どれを飲んでも美味しい。種類が複数あるというのもステキな点だ。
④管理・取り扱いが楽
飲食店のビールサーバーは管理がとても大変な印象だが、このホームタップは管理がとても楽である。
ストローや炭酸ガスは使い捨てで、チューブを毎回水で流すだけで手入れは終わる。
サーバーも電源を繋ぐのは使うときだけで良いので、それも楽で電気代も使わずに済む。しかも、電源を繋がなくても使用できる。
(電源を繋ぐのは、保冷機能を動かすため)
固定しておく必要がないので使わないときは押し入れにしまっておくことも可能だ。これはたいへん都合が良い。
⑤(使ってないけど)アウトドア・キャンプにも使える
本体もそこまで大きくないし、持ち運ぶことができる。ビールのペットボトルも1リットル単位なので、普通の缶ビールやジュースなどと同様、アウトドアやキャンプに持ち運ぶことができる。
ビールは常温で保存することもできる。飲む際に冷えていれば、どこでも冷えた生ビールを飲むことができるのだ。
ちなみに、ホームタップの電源を繋ぐと保冷機能が動き、ホームタップに入ったビールの冷たさが維持される。しかし、複数人いれば1リットルのビールはすぐに消化されると思うので、なくてもそこまで問題はない。
⑥必要ないときは注文をスキップできる
今回は要らないなぁというタイミングでは注文をスキップすることができる。
スキップは連続する2カ月で3回まで可能。裏を返せば、連続する2カ月で1回以上は注文しないといけないということだ。
デメリット・ネガティブな点
①料金が安くない。
1個目は料金が安くないという点だ。むしろ、高い。
月4Lコースですべてのビールが一番安いもので仮定しても、基本料金を含めて、「4リットルのビールで8250円」がかかる。500mlに換算すると、1031円。
500mlの缶ビールが300円しないことを加味すると、3倍以上の値段がする。これは居酒屋や飲食店の(高いと感じる値段の)ビールよりも高い。きわめて高い。
ただし、これはぼったくっているわけではなく、
- 一番搾りプレミアムなどの高級・希少性の高いビールを、
- 自宅にサーバーを設置して飲める。
- 手入れも簡単。送料もビール代に含まれている。
という、サービス料なのだ。単純に缶ビールや飲食店と比較してよい話ではないし、競合サービスも存在しない。
これは飛行機で言う「ファーストクラス」のようなものであり、「エコノミークラス(缶ビールや第3のビール)でいいや」という考えとは相いれないと思う。
②基本料金はスキップできない
上述の内容で、ビールの注文はスキップできるが、基本料金自体はスキップできないので、ビールを1回も頼まない月があっても、基本料金は発生する。
③ビールの賞味期限が短い
樽に入れるような生ビールをペットボトルに入れるため、缶とは比較にならないほど賞味期限が短い。
短いもので約2週間。2週間おきにビールを頼み、キッチリその期間で消化できるなら問題ないが、少し余裕をもって置いておくと賞味期限が切れてた…ということもある。私はあった。
特に1回の注文で多くのビールを頼む場合は注意が必要だ。
④どのビールも味の系統が近いと感じる
どのビールもとても美味しいが、味の系統が近いなと感じる。どれも同じキリンビールなので仕方ないが、苦みが抑えめでフルーティーな後味があるというのはどのビールにも大体共通しているように感じる。
飲み比べもしてみたが、確かに味は異なるものの、系統としては近いものがあるなと感じている。なので、時々違うビールが飲みたくなる。笑
⑤解約料がかかる
解約はできますか。
マイページの「ご登録情報」から解約申請を承ります。
https://hometap.kirin.co.jp/faq/detail/member_70.html
各月15日までに解約申請をいただいた場合、当月内での解約受付となり、16日以降の場合は翌月の解約受付となります。
但し、12カ月未満での解約をご希望される場合は別途解約手数料としてサーバーレンタル費用の一部に相当する税込16,500円が発生します。
これが最大の注意点・デメリットだが、12カ月未満で解約した場合、16500円の解約料がかかってしまう。
なので、約5か月分の基本料金にあたるので、「1回始めたら1年は続ける」覚悟で臨まなければならない。
まとめ
特に美味しかったビール
最後、シメに入る前に、1年間色々なビールを飲み、どれも美味しかったが、その中でも特に美味しかったものを挙げる。
これは私の好みでしかなく優劣を語るものではないということは述べておきたい。
1つ目はキリン一番搾りプレミアム。基本のビールだが、これを飲むだけでホームタップの美味しさを感じることができる。並の缶ビールや居酒屋のビールとは比較にならない、スッキリとした飲み心地や、ホップのフルーティーな香りを味わうことができる。
私はキリンのビール工場で初めてプレミアムを飲み、その後は東京ドームで見かけたので愛飲していた。(今はドームにないかも)
2つ目は「Hop Fest 2020」というビール。アルコール6.5%。苦みもありつつも、岩手県遠野産の高品質ホップ「IBUKI」を使用した、華やかな香りが特徴のビール。これもアルコール6.5%とは思えないほど、後味が爽やかでとても美味しかった。
最後は「496」というビール。キリンのクラフトビール醸造所「スプリングバレーブルワリー」の代表ビールで、酸味・甘味・苦みのバランスがとても良かった。それでいて、ホームタップのビールらしいホップの香りが豊かで、とても美味しかった。
496は今後、缶でも販売されるようなので楽しみに待ちたい。
まとめ:豊かなビール生活のためにお金を使いたい人にはとてもオススメ
まとめ。
結構なランニングコストがかかるが、ビール生活が豊かなものになるのは間違いない。普通の缶ビールとは一線を画した美味しいビールが家などで飲めるというのは素晴らしいことだと思う。
私は1年使ってみて良かったと思う。お金はかかったが、普段ではできない、上質なビールを自分で入れて飲むという体験をすることができた。
一方で、単にビールを飲むだけだと値段も高くなるし解約も難しい。基本料金を考えると単身には向かず、友人とシェアして利用したり、家族など複数人で使うといった活用方法が求められると思う。
ホームパーティーなど、友達を呼んだ時に使うと最高に盛り上がるが、私で言えばこの1年間はコロナ禍だったのでそのシチュエーションはほとんどなかった。
決してフットワークの軽いサービスではないので、お金の気になる方はよく検討してから申し込んでほしい。当然だが「富裕層向け」のサービスであることは間違いない。
公式サイトは以下のリンクより。