バスケW杯、日本代表戦を上海で観てきた感想を書いていきます。あらゆる観点があると思いますが、今回は「アリーナ・興行・エンターテインメント」という点に絞って、お届けしたいと思います。
勝てるかどうかも大事だけど、4年に1回のお祭り。観に行く側には「楽しませる準備ができているか?」ということも、とても大事なのです。
会場の「上海オリエンタルスポーツセンター」は「さいたまスーパーアリーナ並
日本代表が含まれるファーストラウンド「グループE」の会場に選ばれたのは上海。
中国が含まれるグループAの会場が北京のため、アメリカ代表が含まれるグループEに、中国第二の都市である上海が割り当てられたのでしょう。
会場となった「上海オリエンタルスポーツセンター」は最大18000人収容可能な大規模アリーナ。8月に行われた日本代表の強化試合がさいたまスーパーアリーナで行われた際には17000人を動員したとのことなので、ほぼ同規模と考えてよいでしょう。
北京にも同規模のアリーナがあるとのことで、中国の規模の大きさを感じました。
上海オリエンタルスポーツセンターは「上海オリエンタルスポーツセンター駅」の目の前にあり、同駅は地下鉄で複数路線が通っており、上海市内からのアクセスが良かったです。
中の構造は東京ドームに近い感じです。1階席と2階席のように、少しだけ席があります。
バスケW杯のときは一般に開放されておらず、おそらく関係者席として使われていたのかなと推測されます。
コートの部分が掘り下げられているため、2階席でも、そこまで多くの階段を上らずに入場することができました。
座席についてはそこまで広い印象は受けませんでしたが、各席の段差が大きく、角度がついていて観やすい構造になっておりました。
こんな立派なアリーナがある中国、とても羨ましいなぁと感じました。
入場規制・手荷物検査は厳重
会場となった上海オリエンタルスポーツセンター・アリーナの遥か手前に、手荷物検査とチケット確認を行うエントランスが設置されておりました。
手荷物検査の対象は以下、右から2番目のボードの記号。
危険物は当然として、飲料から(一眼レフなどの)カメラまで、手広く規制している印象を受けました。大きいバッグもNGとのことでした。傘もダメとのこと。なかなか厳しそうでした。
厳しい手荷物検査へのフォローとして、エントランス前にクロークが設けられており、そこに預けることができました。
以下は手荷物検査の様子です。少しわかりにくいですが、空港手荷物検査のようなベルトコンベアや、金属探知機などもありました。
チケットの確認はディズニーランド方式。
バーコードをスキャンし、ゲートを押して通過します。
さすがは国際大会というべき厳戒態勢でした。
観る側としても若干テロ等の心配はありますので、これくらいやってくれた方が安心できるので良かったと思います。
グッズは「非常にショボい」印象
物販は、外にテントが出ておりました。
この小さなテント、かつ外装の「何にもない感じ」で察していただけると思いますが、非常にショボいです。
Tシャツ、キャップ、タンブラーなどの「W杯公式グッズ」が販売されておりましたが、各代表のグッズはなし。
甲子園で「甲子園って書いてあるグッズ」しか販売されていないようなもんですね。日本もその傾向が見れますが、これでは販売収益は見込めないと思います。
せっかくアメリカ代表が来るのに、もったいないなと感じました。そもそもグッズ販売で収益を上げたいかは知りませんけど。
飲食・場内イベントも少なく、時間を過ごす場所ではない設計
グッズ同様、飲食もとてもショボい印象を受けました。すみません。
アルコールもありませんし、フードも非常にショボい。
メニューもわかりにくく、お水(&よくわかんないもの)のセットを仕方なく注文しました。現地のオペレーションからも「観光客向け」という要素は微塵も感じませんでした。
アリーナ内のコンコースにはおそらくスポンサー企業のイベントコーナーもありましたが、これも数・質ともに満足いくものではなかったです。
前述のイベントと併せても、「会場内で快適な時間を過ごすこと」は念頭にはなく、単に「試合を観て、帰る。以上。」といった雰囲気が漂っていました。
正直、稼ぐ気があるかがわからないので何とも言えませんが、グッズ、有料イベントや飲食を整備するだけで、1人3000円以上の客単価アップが期待できたと思います。私も含めて観光客のお財布はガバガバなのも考慮すると、全体的にもったいない印象を受けます。
試合は観やすく、スクリーンは綺麗
座席は下図でいう「311」というブロックでした。
一番安いカテゴリで、それでも手数料込みで5000円弱くらいの値段でした。プレミア価格ですね。
ただ、先ほども述べましたが2階席後方の座席でも、角度がありましたので試合は観やすかったです。
モニターは中央に4面と、両サイドに1枚ずつあり、試合の状況を的確に把握することができましたね。
1階席からの景色はこんな感じ。正直セキュリティがガバガバで、チケットさえ持っていれば空いている席はどこでも座れる感じでした。
アリーナ内エンタメプログラムも少ないが、演出はカッコイイ
Bリーグなどではタイムアウトやハーフタイムの間に、チアリーディングのダンスショーなどがありますが、今回のワールドカップではそのようなものはありませんでした。
あったのは、モニターを使ったエンタメのみ。お客さんを映して「変顔してね」などのリクエストをするもの。これはNBAでやられているんでしたっけ?
日本だとバスケ天皇杯でもやっていたと記憶しております。
スポンサー付きでやってるのがいいなと思いました。
他はめぼしいコンテンツはなく、少し寂しい印象を受けました。
ただ、選手入場時など、ところどころで使われている音楽はかっこよくて、「世界大会に来たんだな」という感覚を持つことができました。