群馬がB1に殴り込み
昨年、B2を圧倒的な成績で制覇した群馬クレインサンダーズが、今シーズンからB1への参戦を果たしました。
昨年のコアとなった、トレイ・ジョーンズ選手、マイケル・パーカー選手などに加え、アキ・チェンバース選手や五十嵐圭選手、チェコ代表で東京五輪に出場したオンドレイ・バルヴィン選手などの新戦力も揃えました。
まさに「B1でも通用する布陣」で、開幕節では昨シーズン東地区優勝の宇都宮ブレックスをスイープ。
圧倒的な勢いで、次節・ホーム開幕で千葉ジェッツを迎えます。
一方の千葉ジェッツも、昨年優勝に貢献したサイズ選手、ショーター選手などが退団するも、ムーニー選手、スミス選手といった強力な新戦力を迎えました。
開幕節の島根戦ではそのムーニー選手をケガで欠き、大幅に戦力アップした島根と一勝一敗。ムーニー選手が群馬戦から合流し、本領発揮が求められます。
その両者の激突は群馬県太田市・太田市運動公園市民体育館にて行われました。
私も群馬vs千葉ジェッツはとても興味深かったので、太田まで日帰りで観戦に行ってきました。
アリーナ以外に観光はできなかったので旅行記にはなりませんが、ぜひ群馬のホームアリーナの雰囲気をお伝えできればと思います。
太田へは「特急りょうもう」を利用
太田市運動公園市民体育館の最寄り駅は交通アクセスを加味すると太田駅になります。
東京都内から太田駅までは「特急りょうもう」を利用しました。全席指定席でしたが、スマートフォンからWEBサイトで指定席券を購入できるので便利でした。
車両自体はとても古かったこと、意外と混んでいたことが印象的でした。
テーブルが壁から出てくる方式であることに驚きました。
ドリンクホルダーもないので、倒れてこぼしてしまうんじゃないかと神経を使います。
(ちなみにスタバはいつもベンティサイズ。)
太田駅は「クレインサンダーズ一色」
というわけで太田駅に着きました。都内からは1時間ちょっとくらいでしょうか。
特急なので乗車時間は思ったより短かった印象でした。
さて、太田駅に着いて驚いたのが群馬クレインサンダーズの掲示物の多さ。
- モニターで試合を投影
- ユニフォームのディスプレイ
- フラッグの掲出
- 観光案内所でグッズの掲示・販売
などがあり、最寄り駅におけるBリーグチームの露出としては「最も多い」と思いました。
群馬クレインサンダーズが街のアイコンになっているのかなと思いましたし、逆に言えば街の観光・エンタメは群馬クレインサンダーズに賭けている、と解釈することもできました。
選手の遠征用バスに乗車
群馬クレインサンダーズのアリーナ、「太田市運動公園市民体育館」へのアクセスは車を除くと、ざっくり2つです。
- 駅から定額タクシー(1050円)
- 「バスターミナルおおた 」 からシャトルバス(無料)
実は「バスターミナルおおた 」 が駅の近くだと思っていたのですが、駅から2キロ離れていることを全く知らなくて…。
駅の周りを見渡すも、バズが全然なく、それから2キロ離れていることを知りました。
それでも2キロ歩いてバスターミナルに行った理由はこちら。
選手が遠征に利用するバスでアリーナ・バスターミナル間を送迎していただけるのです。
外装も内装も超カッコイイ!とても良い思い出になりました。
まるでお祭り!OTAマルシェで飲んだくれ
多くの人の「にぎわい」
太田市運動公園の敷地に入り、いちばん驚いたのは「にぎわい」です。
今節の試合においては「OTAマルシェ」という名前で多くのお店が出店しており、試合開始の3時間前に着いても非常に多くの方がいらしておりました。
舞台で踊りなどもやっており、まさに「街のお祭り」という感じ。
千葉ジェッツ戦だからか、基本的にホーム開催はこうしていくのかは分かりませんが、アリーナの目の前でこういう取り組みがなされているのは素晴らしいことだと思いました。
「アリーナの一歩手前まで行ける」「アリーナと街の境目がシームレス」…などいろいろな表現方法がありますが、アリーナの雰囲気をつかんだり、同じような食事が召し上がれたり…。
あいにく、この日の試合がキャパ半分・満員で当日券は出ていなかったのですが、前売り券は売っていましたので、このイベントを介してチケットを買ってくれる方もいるのかもしれないですね。
OTAマルシェで飲んだくれ
お酒もおつまみ(食事)もたくさん出ておりましたので、2時間ほど1人で飲んだくれておりました。
いちばん料理を買ったのは「わっしょい」さんのキッチンカー。太田駅近くで居酒屋「わっしょい」や「キタグチバル」などを運営しており、群馬クレインサンダーズのスポンサーもしており、ファンにとても人気のお店だそうです。
あとピックアップしたいのは「ダニエルハウス」というお店です。こちらはクラフトビールを提供しておりました。
唐揚げに上州太田焼きそば、とり重弁当、クラフトビール…最高ですね。
とにかく食べて、飲んで、大満足でした。数量限定で人気だというチキンサンドも早めに帰りまして、帰りの電車でいただきました。
こちらも美味しかったです。大満足でございました。
観戦記
アリーナ設備・座席の紹介
群馬クレインサンダーズのホームアリーナである太田市運動公園市民体育館。
最初の感想としてはアリーナはだいぶコンパクトですね。キャパは勿論、お手洗いの数も少ないと感じました。
一方で両サイドにサイネージを増やしたり、
アウェイエンド側に大きなモニターを設置したり(おそらくこれはB1必須要件)と、なるべくハード面の穴を埋めるように努めていた印象でした。
野球のスコアボードのようで、得点が分かりやすいのは良かったです。
(アウェイエンド側の人は背中になるけど…)
今回座ったのは2階席でした。2階席の真ん中であれば気になりませんでしたが、前の方だと視界に柵が入るので、2階席は後ろの方が無難かなと思います。
一方で1階席は傾斜が足りないような気がしました。
実際には座っていないので経験則での判断ですが、後ろの方だと前の人の頭が被るんじゃないかな…と思いました。
正直、「B1のアリーナ」としては物足りないですが、太田市はもう既に新アリーナの建設を進めており、2023年に完成することになっております。
来シーズンが終わり、その次のシーズンからこのアリーナを使うことになるのかな?と思いますので、とても楽しみです。
一方で前述のサイネージや、選手紹介時の炎を使った演出、ダンサーによるパフォーマンス、音楽など、ソフト面においては興行を盛り上げようという意思を感じました。
なので、新しいアリーナができてハード面が伴ったら良いエンターテインメントが出来るんじゃないかと期待しています。
襲いかかるトレイ・マイク・アキチェンの波…からの大逆転
試合は開始早々千葉ジェッツが窮地に立たされます。
元・千葉ジェッツで前年度B2リーグMVPのトレイ・ジョーンズ選手が1Qで10得点、前半で24得点とまさに「トレイフィーバー」。
そこに同じく千葉ジェッツに在籍していたマイケル・パーカー選手、アキ・チェンバースも続きます。
千葉ジェッツが先制パンチでボコボコにされる展開ですが、ここまで清々しいくらいにトレイ選手にやられたら、彼を知っているジェッツファンは笑うしかなかったと思います。
一方のジェッツ。群馬の外国籍選手などのファウル数を重ねつつ点差を縮めていきます。
3Q終了は富樫選手のブザービーター3Pで3点差に詰めて4Qに持ち込みます。
4Qの5分までは一進一退の攻防が続くも、そこからジェッツが差し切る形での勝利。
群馬は非常に強力でしたが、3Q終了時点で前述のトレイ・ジョーンズ選手が4ファウル、バルヴィン選手とチェンバース選手、笠井選手が3ファウルで、このあたりで勝負が見えてきたかなと思います。
余談ですがトレイ選手の4つ目のファウルは思いっきりダンク→リングにぶら下がって揺らしてのテクニカルファウル。
見てる分には会場が超盛り上がって面白かったですけど、あのファウルは痛手だったのかなと思います。
終わってみれば97-79で千葉ジェッツの大逆転勝利。
新加入のムーニー選手、スミス選手も躍動しチームの勝利に大きく貢献しました。
特にムーニー選手のリバウンドは素晴らしかったです。この日14リバウンド。
群馬のバルヴィン選手はチェコ代表で身長も210センチあるのですが、そこに全く引けを取らない。むしろ病み上がりなのにめちゃくちゃ奮闘してくれます。
(バルヴィン選手相手に14リバウンド…)
大卒2年目と若いですが、非常に素晴らしい選手です。オーストラリアのNBLで1年目から大活躍していたのも納得です。
また、若手の赤穂選手・ラシード選手のプレイタイムが増えているのも印象的でした。
特にラシード選手はケガもあり、昨年のプレイタイムはほとんどありませんでしたから、着実に成長しているのを感じます。
日本人選手としてトップクラスにサイズがあり、若い2人が千葉ジェッツ連覇のラストピースになってくれることを期待しています。
全体的にはフリッピン選手、田口選手、ショーター選手、サイズ選手が抜けたことで弱くなったんじゃね?疑惑があったジェッツですが全然そんなことはないと思います。
既存選手のレベルアップと強力な新加入選手。それらのコンビネーションで今年も優勝候補筆頭になることを願っております。
まとめ
今回は、群馬クレインサンダーズのホームである太田市運動公園市民体育館に行きました。
- チーム一色の太田駅
- お祭りと一体化したような空間
- 多くのグルメやクラフトビール
- 強力な選手陣
と、群馬クレインサンダーズの魅力をたくさん感じることができ、とても楽しかったです。
ちなみに、帰りは早々にアリーナを出て定額タクシーで駅まで行ったのですが、運転手さんは親切で、かつチームが強い・千葉からお客さんが多く来てくれることを喜んでおりました。
群馬クレインサンダーズが太田市の振興の起爆剤になると良いですね。
一方で駅からアリーナまでのアクセス、アリーナ自体の設備には課題を残しており、そこは新アリーナの建設も含めてどこまで改善改良されていくかということは注目していきたいと思いました。
OTAアリーナも同じ運動公園に建てられるそうですから、駅からアリーナまでのシャトルバスの運行など、今後アウェイのお客さんが増えたら導入されるのかなと思います。
まとめとしては、とても楽しかったです。あらゆる面において千葉ジェッツ感(笑)もありましたし、また行きたいと思います。