残留報道記念:私のヒーロー・唐川侑己

なんてこった。

マリーンズの唐川侑己が代理人を立て、国内FA権を利用した移籍を検討しているという報道が飛び込んだ。
彼は2017年に国内FA権、翌年に海外FA権を取得している。

「まさか移籍するとは」夢にも思ってなかったので、ビックリした。
それ以降今日まで、胸騒ぎが止まらない日々が続いた。今日は今日で、逆に興奮して寝れなかったけど。

成田高校・唐川侑己

彼を初めて見たのは彼が高校1年生、私が小学校6年生のとき。秋の県大会か関東大会の映像だったと思う。

「理想的な、綺麗なフォームで投げるピッチャーだ」というのが最初の感想だった。我ながらピッチングフォームにうるさい小学生だった。

それから2年連続センバツに出場を果たしその名は全国区になる。当時、中田翔・佐藤由規と並んで「高卒BIG3」と言われるまでになった。

私が最も衝撃を受けたのは唐川くんとしては高校最後の試合となった夏の千葉大会、東海大浦安との5回戦だ。
唐川くんと東海大浦安・小島くんの投げ合いは0-0のままで延長14回へ。決勝点となった14回の小島くんに打たれたタイムリーは今でも鮮明に覚えている。左中間奥深くへの打球だった。

負けはしたものの、あの試合の唐川くんの姿に魅了されきっていた。
「理想のピッチングフォーム」と「理想のストレート」。恋愛に例えると「顔も性格もドンピシャ」といった感じだ。

それからはプロのデビュー戦(福岡でのホークス戦)はテレビにかじりついて観ていた。おらが県のスターが高卒1年目から活躍する姿を観るのは本当に楽しかった。
彼に倣って、私も高校時代の応援曲は「タッチ」にしたほどだ。
(彼の高校時代の応援曲とプロ最初の応援曲が「タッチ」)

そんな感じだったので、中学3年生の初期までは「成田高校」への進学を希望しており、模試の私立の第一志望に成田高校を書いていた。
(ちなみに公立は佐倉高校と市立稲毛高校)

中学2年生の時、在籍していたシニアの監督に「成田に行きたい」と相談したら「俺に成田へのパイプは一切ないわ…すまない」と言われたのを覚えている。

結局成田高校へ進学しなかったのは中学2年生以降の段階で、野球がそこまで上手にならなかったことと、逆に勉強ができるようになったこと。この2つのタイミングが重なって、人生の軸足が徐々に学業にシフトしていったことが大きかった。

後輩にはなれなかったけど、今でも自分にとってはナンバーワンの選手で、自分の地元愛が増すにつれて、彼へのリスペクトも大きくなっていった。

今年の唐川くん

そして今年・2020年。ここまで数年の成績が芳しくなかった唐川くんは、開幕時点では「構想外」だったんだと思う。
今年のグッズ展開も寂しく、ビジターもALL For CHIBAも彼のマフラータオルは用意されていなかった。

しかし、ジャクソンの退団に伴い中継ぎが一人足りない事態に。結局、その代役を担ったのが7月29日に一軍昇格を果たした唐川くんだった。
ちなみに、今シーズン初登板に(たまたま)巡り合えて嬉しかった。

なんとなく、今シーズンの唐川くんは「ストレートが良い」と感じていた。
今年はカットボールの良さは話題になったが、自分としては同じくらい「今年のストレートはいいぞ」と。

以下、Twitterでは呼び捨てでゴメンナサイ

振り返ると今シーズンは気持ち悪いくらい彼のストレートを絶賛していた。
なんとなく復調の気配を悟っていたんだと思う。我ながらいい感性をしている。

その後の活躍は説明するまでもない。
勝利の方程式として防御率1点台。要所もキッチリ締めるピッチングでマリーンズを4年ぶりのクライマックス・シリーズ出場に導いた。

再び見せてくれた希望

Cランク選手としてのFA権を保有した段階での大活躍ということで、色々考えることがあったのだろう。
「先発をやりたい」という話も度々聞くので、そうであれば移籍も止むを得ないのかなという気もしていた。マリーンズにその枠を用意するのは難しいだろうし、人生は一度きりだ。

そんな中どのような交渉が行われたかはわからないが、残留報道が出た。
日刊スポーツもスポーツ報知も共同通信も出たので、もう大丈夫だろう。

ロッテの唐川侑己投手(31)が4日、保有する海外フリーエージェント(FA)権を行使せずに残留すると表明した。ZOZOマリンスタジアムで取材に応じ「今年は野球ができない時期が続き、自分の野球人生を考えることが多かった。(他球団でのプレーは)そんなに簡単には想像できなかった」と話した。

ロッテの唐川が残留表明 海外FA権行使せず(共同通信) – Yahoo!ニュース

高卒でプロ入りし、来年32歳。野球選手としては折り返しを越えているであろうし、ピークも過ぎ去っているかもしれない。特にここ数年は苦しかったことも想像できる。
それでも輝きを取り戻し、未来への希望を見せてくれた。
来年は先発か中継ぎかはわからないけど、去年の今時点よりも圧倒的に期待できる状態にある。

「来年の唐川くんが楽しみだ。」

いつ以来だろう。久しぶりにこのセリフが言える自分が、少しだけ誇らしい。